高知カツオ県民会議
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カツオ デジタル・アーカイブ
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高知カツオ県民会議
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高知カツオ県民会議について
設立趣意書
「高知カツオ県民会議~日本にカツオを取り戻す~」
立上げについて
2017年2月9日
目的
 高知県の県魚であり、地域を代表する食素材であるカツオを、地域の誇りとして将来にわたり維持していけるよう、高知に、そして日本にカツオを取り戻す目的で、「高知カツオ県民会議」(以下、県民会議)を立ち上げる。
「高知カツオ県民会議」設立趣意書

 カツオは古来、花鳥風月を愛する日本人の食と文化に大きな影響を与えてきました。特に高知にとってカツオは、伝統的な一本釣り漁法やたたきに代表される独自の食文化を支える「県魚」として、県民の誇りとする観光資源として、さらに水産業の主役として愛され続けてきました。ところが、漁業者から、「カツオがこれまでのように獲れなくなってきている・・・」という直感的な不安が訴えられ始め、実際に高知の一本釣り漁業の漁獲量が近年、顕著に減少してきています。私たちにとって、これまで身近な食材であったカツオ資源の実態はどうなっているのか、カツオに関わる漁撈、加工、流通、消費、文化がどのような現状にあるのか、また、カツオの付加価値を高める利用方法にはどのような可能性があるのかなど、詳細、かつ速やかな調査・解明が求められています。

 カツオ資源の実態を把握するためには、海洋資源調査機関のデータのみならず、日々海の上でカツオを追っている漁業者の目による観察情報も、貴重な指標として認識する必要があります。そして漁獲圧力の高まりによって、カツオ資源の保全が深刻な危機に瀕しているとすれば、資源保護の裏付けとなる全地球的な海洋資源調査を加速しなければなりません。その際に国の調査結果を待つだけでなく、調査に必要とされる予算の獲得や技術開発も含めて、地域の諸団体や個人が積極的に当事者として参画することも大切であり、カツオに関わる地域産業や県民の結集が鶴首されています。

 そこで、将来にわたり、高知県にとって大切なカツオを絶やさないために、カツオに関わる様々な諸団体や個人、及びカツオを地域の誇りとする人々が集い、各種の意見交換に基づき、「カツオに関する情報の発信」、「カツオ漁業及びカツオ資源の消費のあり方」、「カツオ資源の調査」、「カツオの食文化」について企画・行動する場として、「高知カツオ県民会議」を設立したいと思います。カツオを愛するあらゆる人々が相互に交流・連携して、協働の図れる場として、この県民会議を位置づけ、カツオに関する「様々な取り組み」に着手することで、高知に、そして日本に一刻も早くカツオを取り戻したいと考えております。

 「初夏に初ガツオ、秋には戻りガツオ」、高知の豊かな自然と食文化を守るために、今こそ、高知県民みんなでつむぎ合いましょう。

委員
カツオをこよなく愛する高知県有志を中心とする。委員の中から選出された幹事による幹事会(3か月に1回)を設置して、県民会議(年に3回)が行う事業の実行に関する具体的な事項を検討する。
活動
上記目的を達成するための活動として、主に「情報の発信について」、「カツオ漁業及びカツオ資源の消費のあり方について」、「カツオ資源の調査・保全について」、さらに「カツオの食文化について」議論・企画していく。具体的には、県民会議の下に下記の分科会を設置して、それぞれの活動を推進する。併せて、県民への啓発を働き掛ける目的で、年に2回程度のシンポジウムを開催する。
分科会
上記活動を企画、運営するための分科会を「県民会議」の下に設置する。
(1)カツオ情報発信分科会
メディア(新聞、テレビ、雑誌、SNSなど)の力を結集して、カツオ資源の現状と将来予測について不断に、かつ戦略的に発信する機会を企画・協議・実行する。さらに県民会議として全県的、全国的な発信を目的とするシンポジウムの企画や、「全国豊かな海づくり大会」との連携についても協議、提案する。
(2)カツオ消費・漁業分科会
カツオ資源の持続可能性を担保する上で、漁法を含めたカツオ漁業、及び市場における県民、並びに高知県における旅行者の消費行動のあり方は極めて重要である。各人の消費行動をあるべき姿に導くために、高知県におけるMSC(*)やMEL(*)の普及啓発を進めると共に、カツオの持続可能性を追求した消費者行動の指針を確立する。
(3)カツオ資源調査・保全分科会
カツオ資源の持続可能性を科学的に、かつ全地球的に調査する事業の側面支援を目的に、調査研究の加速化を目指した資金援助(たとえばクラウドファンディング(*)によるカツオアーカイバルタグ標識(*)調査の支援など)を行うと共に、IoT技術(*)などの先進テクノロジーの社会実装を可及的速やかに進めるための態勢整備を進める。
(4)カツオ食文化分科会
和食の根幹を成す出汁に欠くことのできない、かつお節をはじめとするカツオの食文化に関する情報収集と県民への啓発活動を目的に、各種食育活動の協議、企画、実践、並びに「土佐カツオマイスター制度(*)」の立上げと、推進を担う。

(*)について

MSC:
持続可能な天然魚漁業に対する世界有数の認証プログラムを提供するための組織。海のエコラベルとも呼ばれる。MSCのエコラベルと認証制度は最優良事例ガイドラインを満たし、しっかりとしたプロセスや独立性、透明性、公平性、及びステークホルダーとの協議といった価値を維持するために、国際的で専門的な基準を順守している。

MEL:
水産資源の持続的利用や生態系の保全を図るための資源管理活動を積極的に行っている漁業者を支援し、かつ消費者をはじめとする関係者の水産資源の持続的利用や海洋生態系保全活動への積極的参加を促進することを目的として設けられた、新しいエコラベル制度。

クラウドファンディング:
クラウドファンディング(CrowdFunding)とは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、クリエイターや起業家が製品・サービスの開発、もしくはアイデアの実現などの「ある目的」のために、インターネットを通じて不特定多数の人から資金の出資や協力を募ること。

アーカイバルタグ標識:
カツオの位置、水深、水温、体温を30秒ごとに1年間にわたり記録できる電子記録標識で、最近はカツオに装着できるような小型のものが開発された。

IoT技術:
モノのインターネット。従来は主にパソコンやサーバー、プリンタ等のIT関連機器が接続されていたインターネットにそれ以外の様々な"モノ"を接続することを意味する。読み方はアイオーティー。
カツオマイスター制度:鹿児島県枕崎市で始められたカツオに関して高いレベルの知識を有する方を認定する制度。

カツオマイスター制度:
鹿児島県枕崎市で始められたカツオに関して高いレベルの知識を有する方を認定する制度。

運営の費用
県民会議の運営に必要な費用は委員、及び委員の所属する団体からの会費によって賄う。会費は個人1口3千円、団体1口5千円とし、口数は任意とする。さらに県民会議の趣旨に賛同する会員以外の者からの賛助金(1口1千円)をもって充てる。